「毎日の家事で、家の中を行ったり来たりするのが大変」とストレスを感じているなら、もしかすると動線の悪さが原因かもしれません。リノベーションで、家事動線をはじめとする生活動線を考慮した間取りに見直すことで、毎日のストレスが解消される可能性があります。
この記事では、家事動線や生活動線とは何か、その種類や違いを分かりやすく解説します。動線検討のポイントやリノベーションでの改善事例もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

家事動線・生活動線とは?間取りで重視したい動線の種類と違い

住まいの暮らしやすさは動線によって決まる、と言っても過言ではありません。まずは、動線とはどのようなもので、どのような種類があるのか詳しくみていきましょう。
そもそも動線とは?
動線とは、建物の中で人が移動するルートを線で表したものです。
「朝起きて洗面所へ向かう」
「キッチンから食卓へ料理を運ぶ」
「帰宅して手を洗ってリビングへ向かう」
こうした一つひとつの動きが、すべて動線にあたります。
毎日の行動に必要な動線がコンパクトで、家族それぞれの動線がぶつからない間取りだと、暮らしの中でストレスを感じにくくなります。なお、「導線」は人の動きを導く線を指す言葉であり、住宅では「動線」と書くのが一般的です。
生活動線とは?暮らしやすさを決める4つの種類
生活動線とは、起床から就寝まで、家族が家の中で移動するルート全体を指す言葉です。通勤前の身支度や帰宅後の着替え、家事、入浴など、日常のあらゆる動きが含まれます。
生活動線は、目的によって主に4種類に分けられます。
- 家事動線:料理や洗濯、掃除など家事のための動線
- 衛生動線:洗面所や浴室、トイレへ向かうための動線
- 来客動線:お客様が玄関から客間へ移動するまでの動線
- 通勤通学動線:外出前の身支度から玄関までの動線
生活動線は4種類の動線をまとめた総称であり、家事動線はその中の1つという関係です。
家事動線とは?調理・洗濯・掃除の効率を左右する動線
家事動線とは、料理・洗濯・掃除といった家事をこなすときの移動経路のこと。生活動線の中でも移動の頻度が特に高く、間取りの良し悪しがはっきり表れる動線といえます。
家事動線は、家事の種類によってさらに細かく分けられます。距離が長くなりがちなのは、洗濯物を洗う・干す・たたむ・しまうという一連の作業で使われる「洗濯動線」や、掃除機を手に各部屋を回る「掃除動線」です。他にも、買い物から帰って食材をしまい、調理して配膳・片付けする「調理動線」もあります。
総務省統計局の「令和3年社会生活基本調査」によると、全体の家事時間は1日平均1時間27分。特に、女性の家事時間は1日平均2時間26分にも上ります。効率的な家事動線によって時短を叶えられれば、浮いた時間を他の活動に回せるでしょう。
衛生動線・来客動線・通勤通学動線とは?その他の生活動線
衛生動線とは、洗面所・浴室・トイレといった水まわりと、玄関、リビングや個室をつなぐ動線です。朝の身支度や帰宅後の手洗い、入浴前後の移動などがスムーズになるよう設計することがポイントになります。
来客動線は、訪問客が玄関から客間やリビングへ移動する経路のこと。プライベートな場所を見られないよう、家族の生活空間と分けて設定するのが理想です。また、洗面台やトイレもゲストにとって使いやすい場所に配置したいところです。
通勤通学動線は、起床から身支度を整え、玄関を出るまでの動線です。家族間で移動が重なりやすいため、複数人で同時に使えるように配慮することと、家事動線と交差しない工夫が求められます。
家事動線・生活動線のよい間取りをつくる4つのポイント

ここでは、家事動線・生活動線のよい間取りをつくるために、押さえておきたい4つのポイントをご紹介します。リフォームやリノベーションで間取りを変更する際にも役立つ考え方ですので、参考にしてください。
水まわりを1ヶ所に集約する
家事での使用頻度が高い、キッチン・洗面所・浴室といった水まわり。これらを1ヶ所に集約すれば、家事の際の移動距離を短縮できます。例えば、キッチンとランドリールームが隣り合わせになっていれば、煮込み料理や電子レンジでの調理の合間に洗濯機を回す、といった「ながら家事」も無理なくこなせるでしょう。
また、子どもの入浴の様子を見守りながら、夕食の準備をするといったことも可能。限られた時間を有効活用できるようになり、育児と家事の両立もしやすくなります。
さらに給排水の配管が1ヶ所にまとまるため、配管の引き回しにかかる工事費を抑えやすいというメリットもあります。
行き止まりのない回遊動線を取り入れる
回遊動線とは、行き止まりがなく、家の中をぐるりと回れる動線のことです。最大の魅力は、目的の場所まで2つ以上のルートを選べる点にあります。
例えば、洗面所に廊下側とキッチン側の2つの入口があれば、誰かが廊下側で身支度中でも、キッチン側から入れます。廊下側で身支度を終えた家族は、そのまま玄関から出発することができるでしょう。このように家族間の動線がぶつかりにくくなるので、朝の混み合う時間帯でも渋滞が起こるのを防げるのです。
また、行き止まりのある間取りでは、掃除の際に「同じ廊下を行って戻る」というムダな往復が生まれがちです。回遊動線なら引き返さずそのまま先へ抜けられるため、掃除動線も効率的になります。
動線上に収納を配置する
収納は「使う場所の近くにしまう」が鉄則です。使う場所と収納が離れていると、取りに行って戻すたびにムダな往復が発生してしまうからです。家事動線をはじめとする生活動線上に収納を配置すれば、しまうまでの移動距離をコンパクトにできて、片付けがラクになります。
例えば、次のような収納がおすすめです。
- 玄関とキッチンの間にあるパントリー
→買ってきた食材ストックをすぐにしまえる
- 玄関横のシューズクローク
→帰宅後、アウターや荷物を室内に持ち込まず収納できる
- ランドリールーム横のファミリークローゼット
→乾いた洗濯物を各個室へ届けることなく、すぐにしまえる
片付けの手間が減ることで、室内をスッキリとした状態に保ちやすくなるのもうれしいところです。
家族の1日の動きをシミュレーションして動線の交差を避ける
間取りを検討するときは、家族全員の1日の動きを時間帯ごとに書き出してみましょう。「6時半に起きて洗面所へ」「7時にキッチンで朝食の準備」と具体的に洗い出し、図面に落とし込んでみることで、家族の動線がいつ・どこで重なるのか明らかになります。
特に注意したいのが、朝の出発前の時間帯です。とりわけ共働きの子育て世帯では、通勤通学動線と家事動線が重なり合って、家族全員がストレスを感じることになりかねません。キッチンや水まわりを中心とする回遊動線を取り入れるなど、朝の混雑を防ぐ工夫を検討しましょう。
ただし、すべての動線を完璧に整えることはできません。書き出した図面をもとに、どの動線を優先すべきなのか家族で話し合いましょう。優先順位の高い動線を取り入れることが、満足のいくリノベーションにつながります。
リフォーム・リノベーションでも家事動線・生活動線は改善できる
今お住まいの家で動線の使いづらさを感じている場合、リフォーム・リノベーションで間取りを見直せば、使い勝手を改善できる可能性があります。
築年数が経った住まいは、建てた当時の暮らしに合わせて間取りがつくられています。家族構成や働き方が変わった今、「動線が合わない」と感じるのは自然なこと。家事に育児に忙しい子育て世代が実家を譲り受けたり、中古住宅を購入したりしたのであれば尚更です。
「古い家だから仕方ない」と諦めるのではなく、ぜひリフォーム・リノベーションを検討してみてください。
リノベーションで家事動線を改善した事例


最後に、トータテリフォームセンターが手がけた動線改善の事例をご紹介します。
この住まいでは、キッチンを壁付けから対面式に変更し、生まれたスペースにパントリーとランドリールームを新設しました。ランドリールームは洗濯機のある洗面脱衣室に隣接しており、洗う・干す・たたむの流れが1ヶ所で完結。洗濯動線がコンパクトになりました。
玄関には大容量のシューズクロークを設け、2方向から出入りできる2Way動線としました。帰宅後すぐに手を洗える「ただいま手洗い」も新設し、帰宅時の動線も効率的になっています。詳しくは施工事例ページをご覧ください。
リノベーションで暮らし方をアップデートまとめ
生活動線とは、家族が室内で日常的に使うルートのことを指し、家事動線はその中の1つです。使用頻度の高い家事動線を効率化できれば、家事の時短やストレスの軽減につながります。水まわりの集約、回遊動線、動線上の収納、そして家族の動きのシミュレーションという4つのポイントを意識して、動線の使いやすい間取りを検討してみてはいかがでしょうか。
広島で「動線の使いやすい間取りへリノベーションしたい」とお考えなら、数多くの間取り変更を手がけてきたトータテリフォームセンターへお気軽にご相談ください。豊富なアイデアとノウハウをもとに、お客さまのご要望に沿った間取りプランをご提案します。