「中古物件を買って、自分らしくリノベーション」という住まいづくりが定着してきた感のある昨今。とはいえ、どんな物件でも思いどおりのプランを実現できるわけではありません。
この記事では、リノベーション向き中古物件の見極め方を「構造・配管・耐震性」という3つの視点から分かりやすくお伝えします。中古リノベーションを検討中の方はぜひ参考にしてください。

リノベーション向き中古物件を見極めるための3つのポイント

中古物件の内見では、内装・外装のきれいさにばかり目が向きがちです。しかし、リノベーションすれば、こうした表面的な部分は更新できます。むしろ、本当にチェックしなければならないのは、リノベーションの土台となる建物の「中身」。具体的には、建物の骨となる構造部、水まわりを支える配管、そして耐震性です。
同じ価格帯でも、間取りを自由に変えられる物件もあれば、ほとんどの壁を取り壊せない物件もあります。配管の状態次第では、想定外の工事費がかかることもあるでしょう。また、耐震性が十分でなければ、大地震によって物件そのものが倒壊してしまうかもしれません。
そのような事態を防ぐためにも、構造・配管・耐震性の3点から物件を見極めることが重要です。
【構造編】間取り変更の自由度を左右する建物構造の見極め方
構造は、いわば建物の骨格にあたる部分です。リノベーションでの変更は難しく、構造次第でプランに制約が生じる場合があります。マンションと戸建てでは構造が異なるため、それぞれに分けてポイントをお伝えします。
マンションは「ラーメン構造」か「壁式構造」かをチェック
マンションの構造は、大きく「ラーメン構造」と「壁式構造」に分かれます。
ラーメン構造は柱と梁で建物を支える方式です。室内の壁の多くは建物を支える役割を持っていないため、比較的自由に取り払うことができます。その結果、間取り変更もしやすいのが特徴です。
一方の壁式構造は、壁そのもので建物を支えるつくりとなっており、5階以下の低層マンションや団地でよくみられます。壁の多くは「耐力壁」と呼ばれ、建物を支える役割を果たしています。構造上抜けない壁が多いため、部屋の形状を大きく変えるような間取り変更は難しいでしょう。
どちらの構造で建てられているのかは、不動産会社への問い合わせで確認できます。内見時に聞いてみるとよいでしょう。
戸建ては「木造軸組工法」か「2×4工法」かをチェック
戸建てで注目したいのは工法です。日本の木造住宅で主流の「木造軸組工法(在来工法)」は、柱と梁でできた「枠」で建物を支える構造のため、壁の移動や撤去がしやすく、間取り変更を伴うリノベーションに向いています。
一方「2×4(ツーバイフォー)工法」は、角材でできた枠と合板からなる「面」で建物を支える構造です。床・壁・天井の6つの面で建物を支えるので、地震や強風による揺れに強い反面、抜けない壁が多いのでリノベーションにはあまり適さないとされます。
工法は、建築時の図面や住宅の仕様書などで確認できます。あわせて、基礎のひび割れや土台の腐食といった劣化がないかも見ておきたいところです。柱や梁、基礎といった骨格が傷んでいると、補修費用が膨らむ原因になるため注意しましょう。
【配管編】水まわりの移動可否を決める配管の見極め方

リノベーションで水まわりの位置を変えたい方にとって、配管のチェックは欠かせません。事前に確認すべき2つのチェックポイントを順番にみていきましょう。
配管経路は「竣工図」と現地調査で確認する
マンションでは、各階の住戸の排水が集まる共用の縦管や、それを収めたパイプスペースの位置は動かせません。排水管は勾配によって水を流す仕組みのため、パイプスペースに向けて床下で必要な傾きを確保できる範囲内でしか、水まわりを移動できないのです。
配管経路を知る手がかりになるのが「竣工図」です。多くの分譲マンションでは管理人室などに保管されており、給排水設備の図面から経路や位置を読み取れます。ただし、過去のリフォームで図面と現況が違っている物件もあるため、リノベーション会社の現地調査で確かめてもらうのが確実です。
配管の劣化状況と更新履歴を材質・図面から見極める
配管には寿命があります。古い金属製の管は錆や腐食が進みやすく、築年数によってはリフォーム時の交換が前提となる場合もあるでしょう。一方、近年主流の樹脂製の管は劣化しにくく長持ちします。どの材質の配管なのかは、先ほどの竣工図で確認できます。
マンションの場合は、共用部分の配管がいつ更新されたかも大切な情報です。共用部分の給排水管が劣化していたとしても、自分たちで修繕することはできないからです。長期修繕計画や管理組合の議事録を見せてもらい、更新履歴や今後の更新予定をチェックしましょう。
戸建ての場合は、床下点検口から覗くと配管の状態をある程度目視できます。点検口がなく床下に人が入れない物件では、いざ交換が必要になった際の工事が大がかりになりやすいので注意が必要です。
戸建てはマンションと異なり、配管を引き直して水まわりの位置を大胆に変えることも不可能ではありません。しかし、引き直しには大きな費用がかかるため、できるだけ既存の配管を活用したほうがよいでしょう。
【耐震性編】安心して住み続けるための耐震性の見極め方

地震大国・日本で安心して暮らすには、住まいの耐震性が不可欠です。ここでは、中古物件における耐震性の見極め方をお伝えするとともに、広島で使える補助制度もご紹介します。
新耐震基準かどうかを最初に確認
まず確認したいのが「新耐震基準」で建てられているかどうかです。1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物は、震度6強から7程度の地震でも倒壊しないことを想定した新耐震基準が適用されています。完成した日ではなく、建築確認を受けた日が基準です。
それ以前に建築確認を受けた建物は旧耐震基準で建てられているため、十分な耐震性があるかどうかチェックする必要があります。
木造住宅では、さらに「2000年基準」を満たすかどうかも確認しましょう。阪神・淡路大震災での被害を教訓に、2000年6月以降の建築確認で適用されている基準で、地盤に応じた基礎や柱の接合部への金物の設置、耐力壁のバランスのよい配置などが求められます。
2000年基準の効果は、2016年の熊本地震でも実証されています。木造の戸建てなら、2000年6月以降に建築確認を受けているかどうかも、耐震性を見極めるポイントといえるでしょう。
耐震診断・耐震補強の補助制度
旧耐震基準で建てられた物件だからといって、候補から外すのは早計です。なぜなら、建築確認で適用されたのが旧耐震基準だったというだけで、実際には新耐震基準を満たす耐震性を有している場合もあるからです。1981年5月以前に建築確認を受けたマンションや、2000年5月以前に建築確認を受けた木造戸建てでは、まず過去に耐震診断や耐震補強を実施した実績があるかを確認しましょう。
戸建てであれば、耐震診断を受けて建物の現状を把握し、必要に応じて補強工事をセットで実施するという方法も取れます。
なお、広島市では、旧耐震基準の木造住宅を対象に、耐震診断や耐震改修の費用の一部を補助する事業を実施しています。ほかに県内では、福山市、呉市、廿日市市などの多くの自治体が同様の制度を実施中です。
ただし、補助は年度ごとの募集制で、市の交付決定前に契約や工事をすると対象外になってしまいます。募集期間や条件は年度によって変わるため、検討の際は必ずお住まいの自治体窓口や公式サイトで最新情報をチェックしてください。
(参考)福山市「木造住宅耐震化促進補助事業について」※2026年度の申請は受付終了
まとめ
今回は、リノベーション向き中古物件の見極め方を、構造・配管・耐震性という3つの視点からお伝えしました。どれも外からは見えにくい部分ですが、図面や現地調査、耐震診断といった確認の手段があります。気になる中古物件があった際には、内外装や間取りの良し悪しだけでなく、今回ご紹介したポイントもしっかりチェックしてください。
トータテリフォームセンターでは、物件探しの段階からワンストップでリノベーションのご相談を承っています。リノベーションで叶えたい内容をお聞きしたうえで物件探しをお手伝いするので、「物件を購入したものの、希望するリノベーションができなかった」という後悔を防げるでしょう。
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