ご主人のお祖父様が建材にこだわって建てた日本家屋。高齢のお母様が一人暮らしとなり、いずれは帰らなくてはと考えていました。しかし各所の傷みが気になり、間取りも暮らしにくいものだったため、ご夫婦がセカンドライフを楽しめる家にリフォームしようと計画。お知り合いのご紹介で、トータテリフォームセンターにご相談くださいました。

受け継いだ古民家を梁と薪ストーブが自慢の終(つい)の棲家へ。古民家の風情が残る外観を生かしました。

どんな要望を伝えましたか?

一昔前の家にありがちなのですが、一番日当たりの良い部屋が客間になっていて、もったいないと感じていました。そこをリビングにしたいと考えたのですが、ダイニングキッチンと客間の間に浴室と洗面室があったので、それを動かさないと広いLDKにすることができません。それに対して、構造上取れない柱などの制約も踏まえながらベストな間取りを提案してもらえ、明るい大空間のLDKを実現することができました。

【BEFORE・AFTER図面】
元の応接室(手前)からキッチンまで続く大空間のワンフロアLDKを実現しました。

こだわったポイントは?

まずは天井を吹き抜けにして梁を見せること。子ども時代をずっと過ごした家でしたが、天井の上がどうなっているのかは見たことがありませんでした。調べてもらうと、とても綺麗な梁が使われていることがわかり、磨きと塗装でできる限り〝表し(あらわし)〟にしてもらいました。家の歴史が感じられ、インテリアとしても美しく、とても満足しています。

LDKの天井は吹き抜けにして、梁を表しに。昔の大工の技術を感じる造形は眺めていて飽きません。
小上がりのあるダイニングの上には梁にファンを設置。梁の間に落としたロングタイプのペンダントライトのデザインも秀逸。
歴史と技術を感じる接合部や金物、釘跡などもそのままに。厚鴨居は磨きと塗装仕上げで、あまり綺麗ではない小屋梁は板とクロス貼り仕上げに。

また天井の高い伊達2階のある家だったため、ロフトを設けたいと考えました。ダイニングキッチンに隣接する寝室の上に設置し、ダイニングキッチンともつながりのある空間になってとても満足しています。ロフトから梁を見下ろすことができる点も気に入っています。

ロフトの高い目線から眺める、立派な梁が続く様は圧巻です。
二面に窓を追加し明るくなったロフトは、ご夫婦の寝室に使用する予定。

さらに天井吹き抜けの大空間になったLDKの暖房には、薪ストーブを採用したいと希望しました。ストーブの設置場所を検討し、元々浴室があったLDKの中心に決めました。母の希望で残した勝手口が、薪の搬入にも便利に使えます。炎を眺めながらのんびり過ごす時間が楽しみです。

ストーブはドイツのアイアンドッグを選択。ハイパワーで、調理も可能。床と壁の耐火レンガ、大理石のカウンターにもこだわったコーナーを実現。

小上がりの畳スペースを設けたこともこだわりです。母にも馴染むように、もともと茶の間だった和室の雰囲気を残しました。腰掛けやすい小上がりにして、掘りごたつも設けました。

掘りごたつのある小上がりスペース。壁の一画は変化をつけるため、アクセントクロスを採用。開閉できる間仕切りの向こうがお母様の寝室。
壁の背面の和室の押入れとの取り合いを考えながら、開放感のあるデザインを実現した階段。階段下の一部は、電話などを置けるニッチカウンターに。

キッチンは奥さまのこだわりですか?

アイランドタイプにしたいと考えていて、向きや場所をいろいろ検討していただき、小上がりと母の寝室に向かう位置に決めました。取れない柱と鴨居があったのですが、ちょうど計ったように柱と柱の間に収まりました。デザインをひと目見て気に入り、収納の中もステンレスでお手入れしやすいクリナップのシステムキッチンを選びました。

取れない柱もデザインの一部のようにぴったりと収まったキッチン。ステンレスの無機質さが気になったレンジフードは、キッチンと同じパネルでカバーしました。
リビング、ロフト、小上がり、寝室まで見渡せるキッチン。引き出しのハンドルは、アンティーク調のデザインを選んで組み合わせました。

他に提案してもらって良かったことがありますか?

リビングの壁に取れない柱が並んでいたのですが、そこを稼働棚にする提案をしてもらったのが、とても良かったです。廊下の角や、外にもセンサーライトを設置してもらったことも、とても助かっています。

洗面脱衣室の出入り口があった壁。4本並んだ柱の間をニッチにして、収納や飾り棚としても便利なオープン棚に。
廊下は床を張り替え、外部に接する窓は全てペアガラスのサッシに入れ替えて断熱性を向上。コーナーには夜間のトイレにも安心のセンサーライトを設置。

リフォームしてみていかがですか?

吹き抜け、ロフト、薪ストーブ、小上がりなど、取り入れたいと考えていた希望をより良い形で実現してもらい、安心して暮らせる終の棲家を整えることができました。営業担当の入江さん、設計の五郎丸さん、コーディネーターの若林さん、そして現場の大工さんたちが親身に考えてくれたおかげです。一つ屋根の下で家族が暮らしてきた家が再び、帰省した子どもたちや友人たちが集える家になり、心から満足しています。

担当者スタッフより

リフォームアドバイザー 入江

とてもしっかりとした建材を使った家だったので、次世代に残すお手伝いができて嬉しく思います。特に梁は、数も状態も、これほど見せることのできる事例はなかなかないので、私たちも良い経験をさせていただくことができました。T様がしっかりとしたこだわりをお持ちだったこともあり、どこを見てもとても素敵な仕上がりになったと感じています。