外は古民家、中はモダンなギャップにもこだわって

ご両親の住み替えと、ご自身の結婚を機に、ご実家の一戸建てを受け継ぐことになったW様。お祖父様の思い入れの強い和室の設えや、周囲の風景に馴染む外観はそのままに、室内は暮らしやすく一新したいと考えました。
 動線の良い間取りに加えて、こだわったのは室内の雰囲気。インテリアコーディネーターの羽根さんと相談しながらまとめていった壁紙は、コンテストでも評価されました。

壁紙コーディネートコンテスト入賞! トーンの統一ですっきりと

どのようなリフォームを希望されましたか?

以前は家の中心が客室の和室で、家族が過ごすのは狭いDKになっていたので、広いLDKを設けたいと思っていました。また家具をなるべく置かずすっきりさせたくて、ウォークインクローゼットなどの収納を充実させました。誰かが浴室を使っていても気兼ねなく洗面室を使えるように、脱衣室と洗面室を分けたのも希望したポイントです。

【BEFORE・AFTER図面】
家の中心を広々としたLDKに。取れなかった柱は丸く加工して木目のクロス張りに。間口を広く造り変えて、建具を全てハイドアにしたことも開放感を演出するポイントに.

奥さまが特に希望されたポイントは?

まずランドリールームが欲しいとお願いしました。設計の舛木さんが、縁側の一部を活用する提案をしてくださり、日当たりも良いし、洗濯室からの動線も良いし、とても便利です。
 キッチンはアイランドなども検討したのですが、対面式にして勝手口に続く空間にパントリーを設けることにしました。結果的に、パントリーから勝手口のホールを通って回遊する動線が生まれ、収納も充実して満足しています。

縁側の一部を仕切り、天井に物干し用の器具を取り付け、床はフロアタイル張りにして、ランドリールームに。日当たりも良く、開け放てば風通しも良好。
右側のすりガラスの建具の向こうがランドリールーム。通り抜けできる動線で便利な上、建具を閉めれば見た目もすっきり。
キッチンと勝手口の間にパントリーを設置。アールで造った開口の奥の壁は、メモ類を貼れるマグネットクロスに
パントリーの棚は木目の可動棚にして、背面は大柄の花柄クロスで遊びました。

ご主人のご希望は?

和室の床柱や書院などの設えは祖父がこだわったものだったので、なるべく残してもらいました。新しい雰囲気のLDKとつながる空間になるため、調和させるコーディネートに悩んでくださったと聞いています。
 その一つがグレーの縁無し畳で、別の和室から移設することにした掘りごたつのサイズに合わせて、オーダーで畳を作ってもらうことにしました。縁側の横梁も和室側は見せるようにして、祖父の思いや家族の思い出を残しました。

LDKとつながる空間として残した和室。梁や柱、廻り縁などを見せる真壁で和の雰囲気は残しつつ、畳やクロスの色をLDKとトーンを揃えることで調和させました
周囲の風景に溶け込んできた古い日本家屋の趣はそのままに、玄関と内部を一新。訪れた人をギャップで驚かせたいというご主人の思惑が見事に実現

壁紙コーディネートコンテストで入賞しましたね!

北欧風の雰囲気が好きで、コーディネーターの羽根さんに使いたいクロスの画像などをLINEで送って相談しました。選んだフローリング材の木目に色調(グレーやグレージュなど)を合わせると全体がまとまるとアドバイスをもらいました。いろいろなクロス使いを楽しみながら、理想通りの柔らかいイメージが実現できて、さらにコンテストで入賞したと聞いて嬉しいです(奥さま)。

キッチンの壁には使いたかったレンガ調のクロス。キッチン上の下がり天井のクロス使いと間接照明は、とても気に入っている提案の一つ。
玄関ホールは薄いグレーのクロスにしたことで、白いクロスのLDKの明るさをより印象づける効果も。ニッチは同じトーンのグレーのギンガムチェックで遊び心をプラス。

特に気に入っているポイントは?

全部気に入っているのですが、特にリビングの一角、ランドリールームの隣の窓際をカウンターにする提案をしていただいたことです。ここでアイロンがけをして、さっとハンガーを掛けられるようにポールも設置してくださり、思いも寄らなかったので感動しました。あとインテリアはほぼ妻に任せたのですが、いくつか僕が決めた箇所に愛着があって。その一つが、階段の天井の水色のクロスです。見上げた時、空が見えるみたいで嬉しくなります。
 外観を見て「変わってないじゃん」と言って入ってきた人が、家の中を見て驚くのも期待通りで「トータテマジックすごいじゃろ」と自慢しています(ご主人)。

窓際の一角を、家事やパソコンなどに使えるカウンターコーナーに。アイロンがけをした服を掛けられるようポールを設置。
階段の天井を薄いブルーのクロスに。空を見上げるように楽しめます

担当者スタッフより

インテリアコーディネーター 羽根

外観は和風のまま、室内は今っぽくしたいというご希望を一緒に楽しみながら考えていきました。奥さまが優しい北欧風のインテリアをご希望されたので、ニュアンスカラーで色のバランスを整えることなどをご提案しました。
 コロナの関係でLINEなどでやり取りをさせていただくことが多かったのですが、和室との調和の課題は現地で現物の色を確認しながら打ち合わせをしました。
 奥さまのセンスが良く、アセントクロスを多用しても、落ち着いた雰囲気でまとまり、コンテストで入賞をいただいたことも含め、とても良い経験になりました。